■植物は自分を守る化学物質を作り出す
紫外線、病害虫や寄生虫、細菌など植物の周りには危険がいっぱいです。太陽光に含まれる紫外線は直接当たると細胞を傷つけますし、活性酸素の発生も促します。 活性酸素とは酸化力の強い酸素種のことで、免疫細胞が病原菌などを排除するのに必要ですが、過剰に発生した場合は細胞を酸化させて障害を与えます。ヒトの場合、からだのサビともいわれる過酸化脂質を作ったりDNAを傷つけたりします。植物はこれらの危険から身を守るため、光合成によって作った糖から防御物質を合成し、果実や葉、樹皮などの細胞に蓄えます。
■第7の栄養素:フィトケミカル
植物が作り出す化学物質はフィトケミカルと総称され、 身体機能の維持に特に必要とされないが、健康に良い影響を与える栄養素の一つとして研究が盛んです。 「色、香り、苦み、渋み」といったこれまでは栄養素とは考えられなかった成分で、糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維に次ぐ第7の栄養素として近年注目されるようになりました。 フィトケミカルには色素のカロテン類、香り成分のテルペン類、抗酸化物質のポリフェノールなどが挙げられますが、これらの化合物を有効に利用し、健康維持や病気予防に活用することが提唱されています。
■タヒボが作り出す化学物質:タヒボケミカル
①②はキノン系色素で、ナフトキノングループに分類されます。強い抗がん・抗腫瘍活性や抗菌・抗ウイルス活性を持ちます。
①のNQ801を培養中の23種類のヒトがん細胞に投与したところ、すべてのがん細胞の増殖を抑制し、その効果が確認されました。次に培養中のヒト正常細胞に、すべてのがん細胞が死滅する濃度(20~50倍)のものを投与しても、多少細胞分裂のスピードが落ちるものの、損傷は与えませんでした。(日本国特許公報 第2669762号)
③④⑤はポリフェノールグループで、紫外線や活性酸素に対抗するために植物が作り出した化合物です。
■各ポリフェノールの抗酸化能比較
生物は酸素呼吸をしてエネルギーを作り出していますが、その過程で必然的に生まれてくるのが活性酸素です。抗酸化能(力)とはこれを消去する能力のことです。 ビタミンC(VC)には優れた抗酸化力のあることは良く知られています。VCを1.0とした場合の各ポリフェノールの抗酸化能を比較してみました。タヒボフェノールAX101はビタミンCの25.7倍、緑茶カテキンの6.03倍、最強のポリフェノールと云われているワインフェノール(ミリセチン)の2.41倍という非常に強力な抗酸化力を持っていいることが分かりました。
■加齢と伴に低下する抗酸化能
私たちは、この厄介な毒性酸素を無害化する、SODやカタラーゼなどの抗酸化酵素を持っていますが、加齢と伴に低下します。抗酸化力は20歳頃にピークを迎え、40歳を過ぎた頃から急激に低下をはじめ、70歳代になると若い頃の20%以下にまで落ち込んでしまいます。 50歳過ぎた頃から糖尿病や高血圧など多くの病気を抱えてしまうのはこのためです。この低下した抗酸化力を補うために、緑黄野菜など抗酸化食品を積極的に摂ることが推奨されていますが、タヒボ茶はアンチエイジングのためにも、まさにうってつけの抗酸化食品と云えます。
■活性酸素は万病の素
物質が酸素と反応することを酸化と云います。鉄を空気中に放置すると酸化して錆び、ヒトもやがてサビてゆきます。通常、呼吸で取り込んだ酸素の1~2%が活性酸素に変化すると云われています。 この活性酸素がDNAを傷付け細胞をがん化させたり、臓器や組織を損傷させ、やがては病気へと導きます。 活性酸素は、がん、糖尿病、動脈硬化、アルツハイマー病、リウマチ、更には老化の促進まで、何と病気の90%と関連するとされ、まさに万病の素と云えます。 抗酸化食品の積極的摂取が若さと健康の決め手です。
■タヒボの抗がん作用
タヒボの抗がん作用には直接作用、間接作用、補助作用の三つの作用があります。直接作用とはがん細胞に直接働きかける作用のことです。
直接作用には、①選択毒性:正常細胞には影響を与えずがん細胞だけを攻撃する。②アポトーシス誘導:がんを危険不要なものとして自殺死に向かわせる。③血管新生阻害:栄養と酸素の補給路としての血管の新生を阻害。
④転移・浸潤する能力を抑制する、の4つがあります。
その他、免疫賦活・調整の間接作用、抗酸化・抗炎症などの補助作用の3作用が相互的・相乗的に働きます。
■抗がん剤と比較したNQ801の効果と安全性
NQ801とキノン系抗がん剤(マイトマイシン:MMC)の効果と安全性を比較した報告をご紹介します。MMCは抗がん効果は優れているのですが、副作用も強いので、最近では敬遠されがちです。 培養中の3種のヒトがん細胞に両者を投与し、EC50(半数効果濃度)を比較したところ、NQ801はMMCと同等の抗がん効果を示すことが分かりました。 次に6種のヒト正常細胞に投与し、同様にEC50を調べたところ、NQ801はMMCの5~35倍安全であることが分かりました。(EC50とは医薬品の有効度を示す指標)